今回はタイトルのとおりである。しかも実際に金をとられた。ふつ~に一大事。ブログ二回目にしてフルスロットル。皆さんへの注意喚起の意味も込めて書いていきたいと思います。
事件発生
事件が起こったのは数年前、私がまだ実家にいた頃。実家と父方の祖母の家は距離が近く、父親はしょっちゅう祖母宅に行っていたし、私もたま~に行っていた。その日はたまたま私も祖母宅にいて、家には祖母、父、私の三人がいた。
一本の電話が家電にかかってきて父が対応していたところまでは私も目撃していた。が、私はその途中でテレビのある奥の部屋に引っ込んでいたので、実は詐欺の現場を目撃していない。これ、あとからかなり悔やむのだけど、こればっかりは運命だからしょうがない。
奥の部屋に引っ込んでしばらくたった後、父が部屋にやって来て「警察が来たけどいいふらしたりしないでね」的な事を言われた気がする。いかんせん数年前の話なので詳細を覚えていない。というかこの時点では詐欺が起こっているなんて知らないので、父の言葉なんて話半分で聞いていた。
発覚
その日は普通に実家へ帰り、家族で晩御飯を食べていた。そこで父が「今日警察から電話があって、詐欺グループが持っていた名簿の中に祖母の口座があった。それで確認しに警察が祖母宅に来た」という話をし始めた。
母と私は「はあ、ほお」と話を聞いていたが、なんかこう……話がふわふわしているのである。詳細が見えない。父はプライドが高いタイプだったので負の要素がある話をしたがらないのはわかっていたが、それにしたってお金が絡んだ大事な話なのに全然詳細を話そうとしないのだ。
で、母と二人で質問攻め。どういう事?それでどうしたの?と詰めていくうちに、だんだん私は違和感を持ち始めた。……これ、詐欺なのでは?
けどさすがにすぐには言いだせなかった。この時期はもう相棒にハマったあとで、刑事ドラマの見過ぎだろうと思って言いだせなかった。
皆さんは覚えているだろうか。シーズン19の12話『欺し合い』という回を。特命係や一課、暇課長が詐欺グループとだまし合いバトルをする、珍しく人が死なない回。冠城くんが潜入したり、セリーザフードサービスなる会社名が爆誕したりした回だ。
あの回は私のお気に入りの一つで印象に残っていたので、余計に「相棒の見過ぎだな」と思って言いだせなかったのである。まあ逆に言えば相棒を見ていたからこそ「詐欺では?」と気づけたのだが。
が、一度「詐欺じゃね?」と思うとどんどん怪しい部分が見つかるわけで。意を決して「詐欺じゃないか」と口に出した。母も少し思っていたようで、賛同してくれた。けど父は否定的。まあ実際に詐欺に遭った人がすぐに認めようとしないのは世の常。
そこから詐欺っぽい部分を探すために父へたくさん質問をした。「靴下はちゃんとしたのはいてた?」など相棒で得た知識も活用して。警察官の髪色、髪型、何で来たのか。パトカーじゃないなら自転車は近場にあったのか。一人か複数か。
質問攻めにさすがの父も不安になったらしく気持ちが揺らいで来たので、「確認のために電話しても警察は迷惑がらないからさ」と警察への電話を全力で勧めた。Twitterでそういうレポ?みたいなツイートあったよね。あれのおかげで警察への確認を全力で勧められた。ありがとうTwitter。
ようやく折れた父が警察に電話して……。
詐欺でした。
やっぱり……。と思っている暇もなく父は警察署へ。晩御飯のあとだったので深夜までかかっていた気がする。
祖母に連絡したり警察署へ行く準備をしている間、父が「あ~怪しいと思ったんだよな」とか言いだした。
「封筒にカード入れてたもんな」
………………え?????
それ、詐欺の常套手段じゃないですか……。マジすか……。
しかも「暗証番号聞かれた」とまで言いだして。……もう絶句。というか説得のために根掘り葉掘り話を聞いた時は封筒のことも暗証番号のことも言わなかったよね。なんで話さないで隠すの??ねえ??
一応、知識として「封筒にカード=詐欺」であることは知っていたらしい。じゃあなんで騙されてんの?という話だが、やっぱり一度本物の警察官だと信じてしまったらちょっと引っかかる部分があっても飲み込んでしまうんだろう。詐欺って怖いね。
後に発覚するのだが、父がやたら何があったか話そうとしなかったのは、警察官(詐欺師)に「なるべく周囲に言わないように」と念押しされていたからだそう。……ああ、私が祖母宅で父から「いいふらさないでね」と言われたのはそういう?調べたところ、どうやら親族などにバレないよに口止めをするのは詐欺の鉄則らしい。
詐欺の流れ
全てが発覚したところで、詐欺がどのように行われたか確認して行こう。
- 祖母宅に警察を名乗る電話がかかってくる→父が対応
- 警察から「詐欺グループの摘発で見つかった名簿に祖母の口座があった。なので今からそちらへ確認しに伺う」との連絡
- 警察が家にやって来る→父と祖母で対応
- いろいろ話したあと被害届を書く
- キャッシュカードを封筒に入れて渡す(おそらくここで偽物と交換)
- 暗証番号を聞かれる(書類に書いたのかも?)
- 周囲に言わないように口止めし警察官が帰る
↓
- 夜、詐欺だと発覚
という流れだ。詐欺だと発覚する前もした後も父が詳細を話さないのでふわふわしたことしか説明しないせいであまり詳細に書けていないが父のせいだ、許せ。
詐欺を見抜くポイント
私が話を聞いていて「詐欺じゃね?」と思ったポイント、質問した内容について、なにかの参考になればと思うので書いておく。
・警察官の交通手段
パトカーなのか自転車なのか。実家があるのは田舎なので、徒歩は絶対ない。東京みたいにそこらじゅうに交番はないので、祖母宅から一番近い交番でもけっこう距離がある。それなのにパトカーでも自転車でもなかったら十分怪しむ要素になると思う。というか地元で自転車の警察官を見た事ない気がするから、田舎はパトカーがない時点で怪しんでいいかも。
・靴下とか靴
相棒でも言っていたが、服装はちゃんとしていても靴下が私服のままなことがある。現実のニュースではスーツにスニーカーだった例もあるらしい。そんな遺留捜査の糸村さんみたいな人ほとんど実在しないよ。いたとしても金が関わる状況でそんな恰好しないよ。
・髪色、髪型、ピアス穴
ここら辺の規定は各都道府県警によってバラバラらしい。染めるのが全面的に駄目なところもあるし、ある程度は許容されるところもあるっぽい。ピアスも同様。地元の県警の規定を調べておくといいかも。まあOKだったとしても茶髪でややロン毛でピアス穴のある警察官とかだったら怪しんでいいと思う。
・何人で来たか
刑事ドラマ脳なので警官は二人一組で行動するものだと思っていたが、調べたら一人の事もあるらしい。でもそれってたぶん巡回の時であって、明確に詐欺事件に関わっていると判明している状態なら二人なんじゃないか?と個人的には思う。
・被害届を書く場所
祖母宅の玄関先で書いたと言っていた被害届。え、そんなご自宅で気軽に書けるものなのか被害届って?と思って怪しんだのだけど、こちらも自宅で書くことはあるらしい。今書いていて気づいたが、まだ被害は不明な設定だったのに何に対する被害届なんだろう。
とまあこのあたりが私の判断基準だろうか。特に最初にあげた交通手段に関しては、田舎ということもあってかなり判断材料になった。こんな田舎なのにパトカーで来ないなんてありえなくない??都会はごめん、わからない。
被害とその後
口座を確認したところ、金が引き出されていた。確か100万だったと思う。当日に気づいたからATMの一日の引き出し上限額で済んだのだ。いや発覚が遅れてたらと思うと怖いね。
その後、捜査は進んだのか、犯人は捕まったのか、被害額は戻ってきたのか。
……ごめん、なにも知らない。
先述したように、父はややプライドが高い。でもってその母親である祖母も同じような傾向がある。故に、自分たちの恥ずかしい部分、汚点である部分は話そうとしないのだ。詐欺が発覚した翌日くらいはまだ多少話してくれたが、その後に詐欺事件の話をした事はない。せめて家族には言えって。
まあたぶん、捕まってないしお金も戻ってきてないんじゃないかなと思う。父が断片的に話してくれた内容から察するに、受け子は東京から来ていたらしい。だから跡を追えていないんじゃないかな。それと昨今の報道でもわかるように、受け子が逮捕できても元締めが逮捕できなきゃお金は戻ってこない。……から、たぶん事件は進展していないと思う。全部私の推測だけども。
あとがき
そんなわけで詐欺事件のレポでした。皆さんも家族と大事な話はちゃんと共有するように口酸っぱく言い聞かせましょうね。うちの父がだまされたんだから「うちの両親まだ若いし」とか思ってないでちゃんと警戒しておこうね。私との約束だよ。